給与・人事評価制度をつくる(改定する)ときのポイントは、最初に自社に合った「給与制度のストーリー」を作ることです。社員は「この会社で頑張ればこのようにステップアップしていくのだ」とイメージできれば、安心して仕事をします。そして優秀な人財が定着します。
給与制度のストーリーは、書物などで紹介されている一般例や同業他社などを模倣すると、矛盾や運用面での不適切が生じます。経営の大切なアイテムである給与制度は自社に合ったオリジナルのものでなければなりません。
成功する給与・人事評価制度の考え方
- 新入社員から定年退職まで、給与推移のシミュレーションを行う
給与制度のストーリーを検討する際は、優秀な人(部長や役員になる人)と管理職にならない人の給与推移のモデルケースをエクセルで作成します。そして、実際の社員の給与額の推移をイメージしながら、人件費のバランスを検討します。
弊社のコンサルは、業界別のパッケージや既製品ではなく、専門の人事コンサルタントが一から御社の状況をヒアリングして、御社の将来を考慮した給与・人事評価制度を作成します。
- 職能給(メンバーシップ型)、職務給(ジョブ型)、基本給、各種手当、インセンティブ、賞与などの給与体系の候補から、自社に合ったもの検討する
全社員へ同じ言葉で説明できる公平な給与・人事評価制度にすることが重要です。特に「手当」は、かゆいところに手が届く便利な給与項目として工夫することができます。
- 役職別の必要条件やステップアップ方法を明確にする
役職別に必要要件の目安をまとめた一覧表を作成して、それぞれの役職のマネジメントレベルや業務遂行力をイメージできるようにします。昇格についてはあまり細かすぎるルールを設定せずに、役職別必要要件の目安の一覧表を基準に組織体制と本人の業績(マネジメントレベル)を総合的に判断して決める方法がお薦めです。
- 中途採用者、定年後の嘱託社員にも適応する
中小企業は新卒よりも中途採用者が多い場合があります。中途採用者の最初の給与額は、本人の前年度の年収を基準に検討するのが一般的ですが、採用後の業績や能力を考慮して、入社2~3年後には従来の社員と同じ土俵になるようにします。
定年後の嘱託社員は、一般的に給与が少なくなりますが、期待する業務内容を明確にして、減額については1年で一気に減額する方法、毎年少しづつ減額する方法などを検討します。
- 職種や部門別に給与制度を考える
同じ会社でも部署によって給与相場が違うことは珍しくありません。例えば、同じ年齢、同じ学歴、同じくらいの能力と頑張りの人が違う部署(営業部、人事部、製造部など)へ入社した場合、10年後にそれぞれの人の給与額がどのようになっているかイメージします。もし、違いがでるようであれば、部署ごとに給与相場が違うことになります。
- シンプルで運用が簡単な給与制度とする
どんなに素晴らしい給与・人事評価制度でも複雑すぎて運用が難しかったら意味がありません。重要なことは組織体制に合った給与制度を作成することです。特に人事評価シート(目標設定と評価)に慣れていない組織では、簡易版のものからスタートして、目標設定と評価を何回か経験してから、より実践向けの人事評価シートへシフトする方法をご提案しています。
- 自社運用できる給与・人事評価制度とする
給与・人事評価制度は会社の成長に直結する重要なものです。導入時は専門のコンサルへ依頼するのが合理的ですが、継続的な運用は自社内で行うべきです。
社員数が300名以内の組織であれば、コストがかかる人事評価シートの専用フォーマット(アプリ)は必要ありません。最初にエクセルで使いやすいものを作成すれば、その後の運用(集計や編集)は簡単に行うことができます。修正も自社内で容易にできます。
弊社のコンサルでは、給与・人事評価作成の導入コストを低く抑えて、さらに継続的な運用コストはゼロです。納品後のご相談や質問も無料で対応しています。その分、社員の人材育成や社員教育に予算を回していただくのが御社の成長のためだと考えています。